その昔、炎人と言う人がいた。
彼は金眼に、燃えるような髪の色をした男だった。
彼が歩くたび、周りの大地は焼けただれ、彼が見つめるたび、周りの人は炭になった。
あまりに恐ろしいので、皆は彼を『魔王』と呼んだ。
ある時、レシウスという男が居て、彼が神珠にふれると、『おこり』の様になり、たちまち心は女神のところへ飛んだという。
そうして彼が言うにはどうしても炎人を討たねばならないとの事だった。
だが炎人は、金剛よりも堅い剣をその手にしていた。
そこで彼は、金石を用いて一振りの剣を造ると、それをもって炎人を討ったと言う。

『レシウス伝』

…雪原大陸、ダルナ族の老人より

  採録:ウィローデン・カントリーマン











偉大なる王、眠りにつくとき、剣は聖者の元へと戻る。
王の剣は、世界の果ての妖精郷に――


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